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ねこの嘘

結構毛だらけ

some of

四、五年前の写真を引っ張り出して
大事なものをこの頃に忘れてきてしまったことを思い出す
桜満開の芝生に腰を下ろし本読みに耽る春の午後に
全部置いてきてしまった
というよりわたしだけが足蹴にされて
裸同然で嫌々ながらここまで飛んできたのか、
カラスのように春を待つ
ロスバゲしたくないからさ、長旅にも小さなリュックひとつよ、得意げの裏側
失なうことがこわくなったあなたの
誰よりも臆病な気持ち、よくわかる


鍵すら持たず、いったいどこへ行くのか
ならば、明け放しにしておけばよい扉には頑丈に鍵がかかっていて



砂は塵に姿を変えて容赦なくやってくる
砂とともに、時も無理やり入り込んでいて
ああ28回目の夏のお嬢さん、退屈を蹴散らして海底から月を探している


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