読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ねこの嘘

結構毛だらけ

山下清アタゴオル宮沢賢治の世界に憧れるのは、その世界には男女の機微が存在しないからだろう
男女のきびだんごは丸めようたって、丸まらないから収集つかずおむすびころりん

銀河鉄道の夜には男と女の間に漂う、甘く、時にスティンキーな物語は登場しない
心の奥のほうに落ちている愛憎を合わせ鏡にする必要なく進行してゆくまっすぐな世界
賢治もヒデヨシも清も、そこに生きているんでしょう
それが非常に羨ましいのだろう
そこに憧れながらも向田邦子の描く、決して答えのない男と女の世界に住もうとしているのだから、わたしは何がしたいのか自分でも全然よくわからない
閉経を迎えた女と暮らす男を抱くもの
閉経を迎えようとしている女と暮らす男に抱くもの
一筋縄でいかない収穫物に辟易して
じゅくじゅくした腐りかけの果実は道端に捨てられた
それをひろう、物好きな鴉


さあ、目の前でぽたぽたと落ちるグラスの結露が
縮絨されたウール繊維にじんわり染みてゆく
桜が咲いていなかったから、春が来ていないことの言い訳にして
考えることは、美しいこと




広告を非表示にする