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ねこの嘘

結構毛だらけ

ねえ茶虎丸、今日はなんだかとても悲しくてやり来れないのよ
こんなに綺麗に月が出ているのに、あの月の裏側は嘘ばっかりなんだって知ってる?
9年前の今日に来ていたスカートの色
鮮やかな紫だったの、朝帰りの色してたの
どうしようもないでしょう
ねえ、茶虎丸
お前にもかなしくて仕方がないような日はあるの
いつもひとりでこんなところにひっそりいて、大きな傷、かくしてるの
お前は聞いてるふりして、何も聞いてないから好きよ
ふてくされてるから、尚のこと好きよ
ずっと、ずうっとわたしの庭にいてよね
わたしの前からいなくならないでね

どうやって、ここまで来たのかわからない
このまま当て所なく歩いていって
いつのまにか風景の一部になっていたい


ほんとうに、そうなのよ
でも、わたしいつまでも人間なの
ね、おまえはさ、猫で良かったでしょう
うん、わかるよ
よくわかるよ


涙で前がぼやけている
帰り道はいつも上り坂で、登りきれない
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