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ねこの嘘

結構毛だらけ

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荷物をまとめて旅に出るということは
何が本当に必要なのかを再考することにつながる
なにを、まとめるのか
なにを、もっていきたいのか
30ℓに二年をまとめようとするのは
無謀だろうか
ひとは、動物と違って
荷物が多いな

荷物を保持することにも
金がかかるのか
わたしのどうしても捨てられないもの
ひとからみればくだらないごみのようなもので
チケットの半券や、外国で買ったお菓子の空箱など
毎日愛でるわけでもないのに
どうしてわたしはこれらを捨てられないのだろう
それは多分、今も元恋人の鞄を捨てられないのと同じで
手放してしまったらそれが全部夢だったのではないかと、夢の中に生きたいと願うくせに、現実の身に起きたことだったと執着したいわたしの心が見え透いている
それは、高校生の頃から思っていた
ホームレス、というか、何も持たない
ということは
究極の自由であって、不安定だ

荷物に縛り付けられた我々は安心であるかわりに
どこにも行けず抱えきれないものを大量にしまって、
隅々まで大切にしきれないのに
持つことにこだわる
叔父をみればわかる、何も持たずにふいに出て行く
愛も持たないから、憎しみだって持たなくていいのだ
持たないということは、心としても身軽なのだ
寂しさ越えれば、それはそれで
つまらないが非常に楽だろう
そこまで突き抜けたいとは、思わないが
人としてのあるべき寂しさを内包しつつ
自由なところまでいけたら、とはいつも思っている
究極に自我のためだけに生きる土塊となってもいいんじゃないか

ぜんぶ捨ててしまえよ、と
これはとっておきたい、が
せめぎあっているあいだは
旅には出ることはできないだろう

いま、どこにいるのか 
この足はどこへ向かうのか

何もいらないよな

テレビ?ほしいの?あげる
お金?欲しいの?あげる
スカート?欲しいの?あげる

お金は好きなだけあなたにあげる
百万でも、一千万でも
好きなだけあげるって

かわりに旅の共に連れて行く本を一冊くれたら
わたしは満面の笑顔で出かけて行く
そして、フリーダが残したオアハカの風を
この一枚の布に纏わせようとおもう



新たなる流離の憂


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