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ねこの嘘

結構毛だらけ

溢れる情報に興味をそそられることは無い

知りたいのは嗅覚によって刺激された大脳の機微

たとえばこんな雪の日は帰宅した父のジャケットの繊維がはらむ雪の香り

懐かしい冬の夜

 

 

おとうさん、まだかな

そろそろかえってくるんじゃない

クックこんな寒い日にひとりで寂しくないかな

こたつもあるし、ご飯もたっぷりあるし、なんならジョンもおじいちゃんたちもいるから大丈夫でしょ

こんな寒い日にも集会行くかな

ねぇ、どうなんだろうね

ケーキもうかたまったかな

外寒いからね、冷蔵庫より冷えてるよきっと

凍えて帰ってくるね

そうだね、お腹減ったね

あ、バイクの音したから、そうじゃない

 

 

 

家族とはなんだろう

雪の降る日はいつも、近いようで遠い仙台の父母

クックもジョンも、杖をついついていたおじいちゃんも

みんなもういなくなって

いきものの一生とはなんだろう

彼の言う通り、サークルの一部だとしたら、

次彼らはどこで暮らしているだろう

雪の匂いで、なにかを思い出すだろうか

 

坂の雪が雨でびちょびちょに溶けて

コンクリートの道路を滑り排水溝の中に吸い込まれていく東京の66年振りの雪、十一月

 

 

 

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