読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ねこの嘘

結構毛だらけ

 

夜中にふと目が覚めては

 

全部が夢だったのかもしれないなと

胸を痛めて泣く

泣く声で今この瞬間はさめざめと夢に溶けるから塩辛

心に穴が空いたその穴を掘り進んでゆけば

過ぎ去りし懐かしい春色

月明かりさえも眩しくて、なにもみえない

柔らかで微かな誓い

そこの換気扇のしたで煙草を吸いながら煙りに任せて言い訳しては腕時計を外す

誰にも言いたくないから真夜中

わたしのことを忘れてしまいますように

あちこちに投げ出して記憶喪失になって

誰よりも幸せに生きていますように

 

切なさや痛さもいつか懐かしさに変わってしまう

遠い日々のことを懐かしむ自分が

何よりも哀しい

いつも張り裂けそうな胸のうちの最前線にいて

お手持ちの散弾銃で打ちのめされたいだけなのに

二百余年生きている老婆のような心持ちで

過ぎ去った時の儚さを懐かしむ

そんな鈍い自分嫌でしょうがないから

出かけていこうと思うんだ

 

広告を非表示にする